みなさまこんにちは!hanamaruといいます。
福島県南部の神社やお寺には魅力的な狛犬がおります。
厳しさや優しさを感じる表情豊かな狛犬たち。
歴史や石工たちの思いを馳せながら、夫婦で狛犬めぐりを楽しんでいます。
鐘鋳神社 ~棚倉町一色カナイ神181~
県道277号線ニシキ牧付近のカーブに御覧のような看板が立っています。 矢印の方に進むと車一台程度の細い道になりますがそのまま道なりに進むと一色鐘鋳神社(いっしきかねいじんじゃ)が見えてきます。 初めて訪れた時は入り口がわからずグルグルまわってしまいましたので、皆さんもお気を付けください。
杉木立の中に入ると、そこだけが苔むした神秘的な世界に入りました。
小林和平作の飛翔獅子
棚倉町一色は小林和平さんの奥様であるナカさんの地元です。
一色鐘鋳神社には小林和平作の飛翔獅子が奉納されております。奥様もご親族の方々も、立派な名工が地元に素晴らしい狛犬を奉納してくれたことは誇らしかったことでしょう。
石川町の「石都都古和気神社」の飛翔獅子(昭和5年)、古殿町の「古殿八幡神社」の飛翔獅子(昭和7年)に続く飛翔獅子であり「和平の三大狛犬」と言われております。
阿形の狛犬は筋骨隆々で威厳のある顔をしています。また、尾はクルクルと渦巻き大輪の花も添えられていて華やかです。 一つの石からこのように重心のバランスを取りながら細部にまでこだわった作品を作った小林和平はやはり天才ですね。 顔の一部が欠けてしまっているのが残念です😢
親獅子のもとには2頭の子獅子が寄り添っています。 小林和平さんの親子獅子は愛らしく優しさが伝わってきます。また、子獅子の動きが自然で微笑ましいですね。 私の好きな狛犬の一つです。
台座の周囲には昭和3年、昭和9年2月、昭和9年旧9月19日建之と複数回の日にちが刻まれています。 長年にわたり多くの方の寄付を頂いて作り上げたということでしょうか。 小林和平53歳の時の作品です。
小林和平の世界
和平は、子どものころ小松寅吉の工房に丁稚奉公に出され辛い修行を耐え腕を磨いていきました。
しかし、寅吉には亀之助という実子がおりましたので、腕のいい和平よりも優遇し差別したため、和平は悔しい思いをしてきたようです。
また、年上の女性と恋仲になった時も年季明け前であったため結婚は許されず、生まれた子ども長男次男を次々と亡くし、結婚後に生まれた長女も高等女学校の16歳の時に失うという辛い思いの連続でした。
その、悲しみからはい上がって和平は仕事に打ち込みました。作風は師匠の小松寅吉に似てはいるものの、優しい表情や子獅子の自然な動きは全国の小松和平ファンを魅了しています。
社殿やその他の建造物
瓦葺の社殿は無人でひっそりとしています。
神社の境内には高床式倉庫のような建造物が奉納されております。
初夏に訪れた時はボロボロでしたので新しく作られたようです。
見てみて~!福島民報新聞のデジタル版に一色鐘鋳神社のこの高床式倉庫?について記事が載っていたよ~。記事はこちらです。
五穀豊穣と無病息災を祈願 福島県棚倉町で県重要無形民俗文化財「お桝(ます)明神の桝送り行事」(福島民報)
ちょうど、先日の地元紙の福島民報デジタル版に一色鐘鋳神社のこの高床式倉庫?にご神体の升を遷座する行事があり記事になっていました。
以下、福島民報デジタル版より~
福島県重要無形民俗文化財「お桝(ます)明神の桝送り行事」は20日、福島県棚倉町の玉野、一色両地区で行われ、五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈った。
同町福井、玉野、一色と浅川町箕輪の計4地区で受け継がれる伝統行事で、元和9(1623)年に始まったと伝えられる。4地区が3年に1度、祭祀(さいし)の当番を引き継ぎ、ご神体の桝(一升、五合、二合五勺の3つ)を遷座する。今回は玉野から一色に引き渡された
羽織はかま姿のお桝明神保存会役員が玉野区長の松本寿男さん方を出発し、練り歩いた。両地区の境でご神体の桝が引き渡され、一色鐘鋳(かねい)神社に設けた高床式のお仮屋に奉納された。厳粛な雰囲気の中で執り行われた伝統の儀式を、地域住民らが見守った。
なるほど!こちらはお仮屋と言うのですね。勉強になりました。
境内には天照皇大神の石造物も納められていました。
まとめ
棚倉町の一色鐘鋳神社には小林和平さんの作った「三大狛犬」と言われる人気が高い狛犬の一つが奉納されておりました。
強さと威厳のある阿形の狛犬と母性愛を感じる吽形の狛犬、また、自然な表情の子獅子たち。
小林和平さんの作品を通して、家族への愛情と絆を感じながら参拝しました。
皆さんも是非現地を訪れてみてください。
アクセス
県道277号線社田浅川線のニシキ牧カーブの所に一色鐘鋳神社狛犬の看板があります。
矢印の通りに進んで行くと杉木立の中に神社があります。
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