みなさまこんにちは! hanamaruといいます。
福島県南部の神社やお寺には魅力的な狛犬がおります。
厳しさや優しさを感じる表情豊かな狛犬たち。
歴史や石工たちの思いを馳せながら、夫婦で狛犬めぐりを楽しんでいます。
石都々古和気神社~石川郡石川町字下泉150
御仮屋の狛犬
石都々古和気神社(いわつつこわけじんじゃ)は山の斜面に本殿がございますが、南側を流れる北須川の橋を渡ったところに神輿が一時とどまる場所として御仮屋があります。 そこに、一対の狛犬が奉納されております。
これは、昭和14年に建立された小林和平と大竹俊吉の合作の作品です。 台座には石工として二人の名前が刻まれておりますが、狛犬が小林和平の作品で台座が大竹俊吉の作品だと思われます。
参道口の狛犬
石都々古和気神社の参道入り口には堂々たる飛翔獅子がおります。
この狛犬を作ったのは、明治14年に石川町沢井で生まれ小松寅吉の工房で修業し一番腕の良かったと評判の小林和平です。
和平は、子どものころ小松寅吉の工房に丁稚奉公に出され辛い修行を耐え腕を磨いていきました。
しかし、寅吉には亀之助という実子がおりましたので、腕のいい和平よりも優遇し差別したため、和平は悔しい思いをしてきたようです。
また、年上の女性と恋仲になった時も年季明け前であったため結婚は許されず、生まれた子ども長男次男を次々と亡くし、結婚後に生まれた長女も高等女学校の16歳の時に失うという辛い思いの連続でした。
そうした苦難を乗り越えてここ石都々古和気神社に力強くもあり心安らぐ穏やかな親子獅子を作ったのです。
親子の飛翔獅子
後ろ脚を蹴り上げ雲に乗った狛犬は『飛翔獅子』と呼ばれ、躍動感あふれる力強い阿形の狛犬です。
一つの石から彫り上げた飛翔獅子は精巧で計算された配置でバランスを取っています。
小松利平→小松寅吉→小林和平と受け継がれた工房の技術が冴えわたっています。
吽形の狛犬は母獅子と三頭の子獅子たちです。
母獅子の足元にはじゃれあう二頭の子獅子がいます。また、顔の横には少し大きい笑顔の子獅子。
まるで和平の赤ちゃんの時に亡くした二人の息子と、女学生の時に亡くなった娘のような子獅子たち。
お腹を空かせないようにと母獅子の胸にはたくさんの乳首があります。
穏やかな幸せを夢見て子を偲ぶ和平の優しい親心を感じます。
石都々古和気神社は散歩コースが満載!
ところで、石都々古和気神社は通称八幡山に鎮座し参道入り口から社殿までは何段もの階段をのぼります。
境内は整備され、紅葉・桜の小路やアジサイの小路などのお散歩コースが充実しています。
また、天狗石や屏風岩などの巨石群や季節の花々も楽しむことができます。
そして、山の中腹に神社本殿がございました。
御朱印は参道入り口より西側にある社務所でいただけますので、参拝前にお願いして来るのがいいですね。
五重の塔
神社本殿の近くには小林和平の作った立派な五重の塔が奉納されております。
見事なバランスで一番上の屋根の上からはこちらを見下ろす龍の姿が見えます。
こんな可愛らしい石像もありました。
参考文献:日本狛犬図鑑05 小松利平 小松寅吉 小林和平
著 者:たくきよしみつ
参拝日:2021.05.29、2021.10.23
御朱印
御朱印はまちなか駐車場とは反対の社務所でいただくことができます。
お願いしてから参拝されることをお勧めします。
まとめ
石川町の石都々古和気神社には小林和平の作った狛犬や飛翔獅子、五重塔がありました。
中でも、親子獅子は和平の子どもたちへの深い愛情を感じる素晴らしい狛犬でした。また、小林和平の銘が入った飛翔獅子はここだけです。
そして、山全体が整備され四季を通して花や草木を楽しむことができる素敵なところでした。
アクセス
私たちがカーナビで案内された鏡岩の駐車場は車一台がやっと通ることができる細く曲がりくねった道でした。
参道入り口の隣にある『まちなか駐車場』に設定して向かった方が安全で便利です( ´艸`)
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