みなさまこんにちは!hanamaruといいます。
福島県南部の神社やお寺には魅力的な狛犬がおります。
厳しさや優しさを感じる表情豊かな狛犬たち。
歴史や石工たちの思いを馳せながら、夫婦で狛犬めぐりを楽しんでいます。
それでは紹介していきましょう。
村社沢井八幡神社は県道11号線から宝海寺へと向かってひたすら坂道を登って行きます。
宝海寺の入り口とは反対側が沢井八幡神社への参道入り口となります。
階段がさらに続きます。
やっと到着しました!狛犬や石像物がたくさん奉納されています。
波乗り兎
これは、小松利平が造ったと推定される波乗り兎一対です。
右と左の兎は耳が欠けていますが耳を想像しながら見てみてください。 生き生きとしたふっくらした兎が波に乗っている様子がうかがえます。
右側の兎の波の上に耳らしき石が置いてありました。
取れてしまった耳????と思いましたが 兎の体の色と違い少し白っぽいので本物かどうかはわかりません。
波は左右の形が異なっています。
天保14年8月15日癸卯(みずのとう)年 富村 角田定右衛門 と刻まれています。
たくきよしみつ氏の『神の鑿』によると天保14年に生まれた定右衛門の親が長子の健康と発展を願って、おめでたい波乗り兎を造り奉納したようです。
旧暦の8月15日は「中秋」 中秋といえば中秋の名月ですね。
月といえばうさぎ
うさぎは多産であることから繁栄の象徴であり、素早く飛び跳ねることから飛躍を意味するそうです。
穏やかな波がどこまでも続く様子を模した『青海波』という柄は「未来永劫平穏に」との意味が込められた縁起のいい柄です。
狛犬
沢井八幡神社には狛犬も一対奉納されておりますが、銘は刻まれておりません。
慶応元年(1865年)12月吉日 願主石工 須田庄七 と刻まれています。 また、大勢の寄進者の名前もありますね。
利平が39歳の年です。やはり、利平が造ったのでしょうか?
小松和平の銘の入った石の社殿
沢井八幡神社には小林和平が造った石像物も奉納されております。
『明治35年12月、石工 小林和平』と名が刻まれた石の社殿がひっそりと奉納されております。
当時和平は21歳。工房福貴作で修行中の身でした。
しかし、師匠の寅吉が栃木県那須塩原市の雲照寺において最大級の准提観音像の制作に取り掛かっているころで、長期不在の中、一人で石の社殿を彫り上げ銘を入れたのでした。
神社の裏には猫やネズミの石像もあるよ~
また、近くにはかわいらしい猫やネズミの石像物もあり見どころ満載です。
参考文献:改定新版 神の鑿 version9
著者:たくきよしみつ
まとめ
沢井八幡神社には珍しい波乗り兎や狛犬が奉納されていました。
しかし、どちらにも作者名は刻まれていません。依頼者や奉納者の名前から小松利平や利平の工房で作成したものだろうと推定されています。
また、社殿裏には小林和平の造った石の社殿があります。
周囲にはネズミや猫の石造物もあり楽しめる興味深い神社でした。
アクセス
宝海寺を目指してひたすら登って行くと左側に参道入り口が見えてきます。
車一台がやっとの道幅で急な坂道ですので気を付けて走行してください。
参拝日:2021.6.12、2021.10.23
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