皆さまこんにちは!hanamaruといいます。
福島県県南地方の神社やお寺には魅力的な狛犬が奉納されております。
厳しさや優しさを感じる表情豊かな狛犬たち。
歴史や石工たちの思いを馳せながら、夫婦で狛犬めぐりを楽しんでいます。
今回は鮫川村の熊野神社をご紹介します。
熊野神社~福島県東白川郡鮫川村赤坂西野名下385~
スピリチュアルで不思議な空間
熊野神社は田んぼに面した静かな山の中にございます。
鳥のさえずる声や虫の声しか聞こえません。
一歩足を踏み入れると木々の緑や苔の緑がなんともスピリチュアルで不思議な世界が広がっています。
私の携帯電話は途中から電波も弱くカメラの起動が出来ませんでした😢
東北のミケランジェロ 小松寅吉の飛翔獅子
鳥居をくぐると、苔むした狛犬が奉納されておりました。
後ろ脚を蹴り上げ、たてがみや尾は風になびき、体の短い毛は特徴的な毛流れで表現されています。
この狛犬は1898年(明治31年)に寅吉が54歳の時に造られました。
一つの石でここまで繊細な躍動感のある石像を作ることは至難の業であったことに違いありません。
川田神社の飛翔獅子からこのスタイルを確立しより一層腕に磨きがかかったようです。
弟子の小林和平は17歳。修行中ですのでこの制作に参加し、影響を受けていたことでしょう。
吽形の狛犬にはたくさんのおっぱいが付いています。
2頭の子獅子が母獅子に寄り添いじゃれあっています。微笑ましい姿ですね。
熊野神社の狛犬は白河市の鈴木市長が『東北のミケランジェロ』と称賛した小松寅吉の三大 飛翔獅子の一つ。
ミケランジェロも修業時代、石工の工房で腕を磨いたそうです。
寅吉の人間性
吽形の台座には寅吉のきっちりした性格がわかる附記が刻まれています。
唐獅子建設ノ剰餘金ヲ〇本社拜殿内エ真鍮製ノ角燈籠ヲ献供ス依テ茲二附記スルモノ也
現代語だと
唐獅子建設に集まった寄付金の余剰金は本社拝殿内に真鍮製の角燈籠を献供したので、ここに説明を加えます
という感じでしょうか。
多くの方からの寄付金を無駄にしたり私腹をこらしたりせずにきちんと使ったということですね。
寅吉の作品には利平からいただいた小松布孝の名で銘を入れておりましたが、熊野神社の狛犬は『小松寅吉』と本名が刻まれています。
50段ほどの急な階段をのぼると社殿があります。手すりはありますがかなり急な階段ですので気を付けてくださいね。なお、駐車場の方から社殿に続く緩やかな道もあります。
社殿は平成15年に氏子の浄財により建て替えられました。
中が暗くて真鍮の角燈籠が納められているのかは確認できませんでした。
まとめ
今回は、鮫川村にある熊野神社の狛犬を紹介しました。
イケメンで筋骨隆々なスターのような阿形の狛犬と母性愛あふれる吽形の狛犬です。
寅吉が造った三大飛翔獅子の内の一つで、のちに白河市東下野出島にある村社鹿島神社の飛翔獅子を造ります。
皆さまもぜひ訪れてみてください。
アクセス
県道勿来浅川線から熊野神社へ入る交差点には道路わきに案内板が建っています。
熊野神社→東北のミケランジェロ・神の鑿 小松寅吉(浅川町)作
駐車場は熊野神社の入り口を通り過ぎてすぐ上ったところに休憩所の建物(訪れたときは閉まっていました)と駐車場があります。左側にも駐車場がありましたが、入り口の真ん中に立ち木がありますので大きな車はスイッチバックしないと入れられないかもしれません。
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