みなさまこんにちは!hanamaruといいます。 福島県南部の神社やお寺には魅力的な狛犬がおります。 厳しさや優しさを感じる表情豊かな狛犬たち。 歴史や石工たちの思いを馳せながら、夫婦で狛犬めぐりを楽しんでいます。
県社宇迦神社~福島県東白川郡棚倉町
県道25号棚倉鮫川線沿いに県社宇迦神社の大きな社号標が見えてきました。
神社の入り口に少しスペースがありましたので駐車させていただきました。
第2鳥居をくぐると髄神門がありました。
髄神門には護衛官様や仁王様が睨みを効かせて神様を守っておりました。
髄神門を過ぎると、長い階段があります。
20段くらいずつ上るごとに平らな部分がありますので、なんとか上ることができました。
参道にはたくさんの燈籠が奉納されておりました。
燈籠は、仏教で仏様に清浄な光として灯明(とうみょう)を捧げたのが始まりで、その後、神社でも灯されるようななったそうです。
『闇(無明)を照らす智慧の光』として長い参道を照らす燈籠がたくさん奉納されておりました。
狛犬 野田平業作~1927年1月
角のある狛犬
宇迦神社境内には野田平業が29歳のころに作った狛犬が奉納されております。
こちらの狛犬はどちらも口が開いており阿形の狛犬のようです。
また、一方は耳がたれ鼻はシュッとしていますがもう一方は頭の上に角があるうえ耳が立って鼻の穴も大きく開いています。
今まで訪れた神社には一対の狛犬の作品ばかりでしたので、新鮮な風貌でした。
角のある狛犬と角のない狛犬の違いってなんだろう???
角のある狛犬初めて見たよ~
平安時代には右側の角のない阿形の狛犬を獅子と呼び、
角のある吽形の狛犬を狛犬と呼んでいたんだよ~
今まで、参拝してきた神社の狛犬は一対の角のない狛犬ばかりでしたが「角のある狛犬」を調べてみると時代によって狛犬の形が変化してきたことがわかりました。
像として神社や寺院の入口の両脇、あるいは本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形、または守るべき寺社に背を向け、参拝者と正対する形で置かれる事が多く、またその際には無角の獅子と有角の狛犬とが一対とされる。
飛鳥時代に日本に伝わった当初は獅子で、左右の姿に差異はなかったが、平安時代になってそれぞれ異なる外見を持つ獅子と狛犬の像が対で置かれるようになり、狭義には後者のみを「狛犬」と称すが、現在では両者を併せて狛犬と呼ぶのが一般化している。
参照:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
平安時代には、一般的に参拝者から向かって右側の口を開いた阿形の狛犬を『獅子』と呼び、左側の口を閉じた吽形の狛犬を『狛犬』と呼び頭には角があったのです。
宇迦神社の野田平業の狛犬は、昭和2年に奉納されたものですが、あえて、昔ながらの角の無い獅子と角のある狛犬を奉納したのでしょう。
でも、どちらも口が開いていて阿形に見えます。
狛犬が乗った立派な台座には、棚倉町 石工 藤田亀治の銘が刻まれています。
狛犬めぐりを行っていろいろな狛犬を見てきましたが、狛犬によっては狛犬と台座別々の方の名前が入っていることもあります。
個人の銘が刻まれているということは力量がある方だからこそ入れることができるものなのでしょう。
宇迦神社の狛犬の台座はお城の石垣のような造りに丸脚の碁盤のような台が乗っています。
そして、絶妙なバランスで狛犬が配置されています。
宇迦神社の社殿
現在の社殿は1701年(元禄14年)棚倉城主内藤弌信公の再建によるものです。
境内には燈籠が何基も奉納されておりました。
こちらはには珍しい近代風の燈籠も奉納されておりました。
1964年(昭和39年)に東京で開催された東京オリンピック大会を記念し奉納された燈籠です。
おまけの話
6月に訪問した時は、鳥の声や風の音しかしない静かな神社で宮司さまがいらっしゃると思いませんでした。
しかし、11月に再訪しました時は、ちょうど七五三の御祈祷が行われておりました。
車で境内まで行くこともできますが、長い階段を上りながら自然のパワーを感じながら参拝するのも楽しいですよ。
そして、長い階段の先には、角のある珍しい狛犬も待っています。
宇迦神社は気持ちがシャキッとする、凛とした神社でした。
アクセス
県道25号線の棚倉鮫川線を南下すると橋の手前に「入野宿市川屋」が見えてきます。
そこに、宇迦神社の大きな社号標が立っておりますので左折すると宇迦神社の鳥居がございます。
訪問日:2021年6月5日(曇り)、2021年11月13日(晴)
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